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あおいとりプロジェクト

トーキングアバウト青い鳥のタロット ‟The lovers”が公開に。

2015年10月10日|Works, やまねこクロニクル

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トーキングアバウト青い鳥のタロットの‟The lovers”の回、公開になりました。
良かったらご覧ください。今回も、川口さんの感性やまほさんの手腕が光ります。

 

毎回私自身が出来上がった原稿を楽しんでいる始末。
私の担当は、あちこちからの定説を比較検討して提唱すること。

あ、青い鳥のタロット今市場に出回っているものが終わったらいったん在庫が終了します。
次、いつ再販するか不明なので、迷ってる方いらっしゃったらお急ぎくださいね。

 

わたしはこのコラムに関してや
タロットを作るときに参考にしている本たちがこの三冊。
何回も紹介していますけど。
IMG_6443
左:イギリス系のカードの内容(ウェイト版寄り、BOTA)
真ん中:フランス版(マルセイユ系というかカモワンですけど)
右:両方を加味している現代版
の3冊を参照しています。ほかに日本語のモノでもたくさん読んでいますが、
なんというか、英語版が一番わかりやすいかな。
結局、タロットはそっちの文化圏だからですね。

 

今回も、もう一回読み直して、見ました。(恋人のセクションだけ、笑)
この恋人のカード、わたしとしては一番ひも解くのがめんどくさかったカード。
結構な資料読みましたよ。結論としてはいろいろありすぎるということで、
青い鳥のタロットは毎回そうですが、川口さんの感性にゆだねています。
役割を投げてるのではなくて、タロットづくりというものが本来そういうものだからですね。
作り手がその感性を投影させて、絵を描く。メインは川口さんの感性だから。
そして、わたしはその感性にゆだねてよかったなあと思います。
あんなに美しいカードができたので♪

 

いろいろ後から作られたタロットを見直すと、
ウェイトさんもかなりマルセイユから改造しています!
クロウリーのトートも結構斬新ですよね(エジプト引っ張ってきたり)
結構現代ですけど、伝統に従っているようで、ホドロフスキーも自論炸裂です。
ぜひ、原書を読んでみてください。本当に全然違うこと言っていて、面白いんで、笑。
このカード『恋人』の1つのトリビアとしては、
フランスとイギリスと表記が違います。
フランス版(マルセイユ系)は複数形ではなくて単数形The Loverで
イギリス版(ウェイト・スミス版)は複数形The Loversと表記されています。
the oneを選ぶからthe loverなのか、みんな同等で可能性があるからThe Loversなのか。

差がどう違うのかよくわかりませんが、The Loversというのを
青い鳥のタロットで表記は採用していると思います。
(いろんな理由を読んだのですけど、どっちでもいい気がしました)

 

後このカードの面白い説としては、
よくパリスの審判の神話が紐づけられているということ。
(一人足りなくね?と即思いますね。
あとそれ「カップの3」じゃなかったっけ?というのも素朴な疑問です。)

 

アテナ、ヘラ、アフロディーテの三人の中に金のリンゴを投げ
この中で一番美しい女性は誰?とトロイの王子パリスに選ばせるアレですね。
この後、たしかアフロディーテを選んだパリスのせいで戦争が勃発するんですよね。
それもアフロディーテが美しいからじゃなくて、アフロディーテの提案が気に入ったからなんですけど。

 

あともう1つ、真ん中の男性がペルセウスという説も。
アンドロメダを助けるアレですね。
ヘラクレスというのも書いてあった気がします。

 

要するに全体的なイメージとしては、
何かを選ぶしかなく、選ばずに進めない段階。
選ぶことで、シチュエーションが変わりますよという感じだと思いますね。
なんというか究極の選択なのです。どちらを選択してももめる。
若い女との愛を選ぶのか、未亡人の知恵を選ぶのか。
その後の自分の人生が大きく変わるというような、導かれているような
決まっているような、自分が選んでいるようなチョイス。
自分に正しい調和を選び取るという感じでしょうかね。
どちらが彼にとってのベターハーフなのか。

そりゃ、若くてかわいい女を選ぶって思いがちですが
ウィリアム・リリーも、マホメッドも年上のお金持ちの賢い未亡人を選んで
自分の道を進む助けを得ています。そういう人生もありということで。

 

毎回思いますが、神話というのは寓意があります。
すべて、先人の知恵で、そこには学びや警鐘があり、
その中に、わたしたちの行動パターン的アーキタイプがある。
それがまあ有名なユングの考え方ですね。
個人の生き方にはパターンがあり、それが神話的にあてはまると
世界中は無意識の世界からその型を召還しているように
行動パターンの様に出てきている、意識しなくてもという感じだと思います。

タロットカードは、ヨーロッパ圏内で親しみのある神話(もしくは寓話)が
元だろうと思うのですよ。最初はゲームカードだったわけですから。
口伝で伝わってくる、おばあちゃんが教えてくれる昔ばなし的で有名な話。
そういうのを集めたものがグリム童話やアンデルセンになったりしますね。
あと、イソップはもっと古いですけど、同じだと思います。

イザナミイザナギの話がオルフェウスの話と近いように
(まあこれはシルクロード経由で伝来したのかもしれませんが)
IMG_6445
(確かこれに月の神シンの娘イシュタル(明けの明星)は冥界に下っていく物語が載っています。
身に着けているものを脱がなければならないとか、奪衣婆みたいでほんと面白いです)

同じような話が世界中にある。そういう学びになる神話的言い伝えのような何かが、
こういうカードになった背景にはあると思うのです。
最初は王族たちの遊びでしたが、印刷が発展してからは船乗りの遊びでしたからね。
覚えやすいや親しみやすい物語があると思うのです。
そして、そこには神秘性をも見出すほどの深さがあるとわたしは憶測しています。
(ユングの考えた方に戻る感じで)

だから開いたスプレッドの中でカードの意味を考えるときに、
ラバーズという象徴のイメージから連想した教科書に載ってる決められたキーワードではなくて、
カードにある象徴と、その隠れた神話的寓話を感じながら、
質問に当てはめていくとより深い理解になっていくと思います。
とりあえず、私はそうしていますね。

これとか本当に勉強になります!!!

***

話変わって、タロットに全然関係ないですけど、
これを書く前に夜考え事をしていて思いついたことをメモ。

わたしはあまりthe bestという言葉が好きではありません。
Bestってなんというか、節理的に流れ続けるものである「時の流れ」に
逆らったThe END的で、押し込められた概念ぽいからです。
時を止めた瞬間的に切り取った概念のような。
うたかたの様に浮かんでは消え浮かんでは消えなイメージ。
写真の中の完璧性というか。

わたしはbetterという揺らぎのある可能性のほうが好きです。
とりあえず感があり、またbetterが現れそうで。
でも、これは音感や言葉のイメージ遊びであって、正誤ではないのですが。


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みかみ まき

西洋占星術師&アクセサリーデザイナー、水晶占い師占星術・タロットをまついなつき氏に師事、占星術と水晶透視を松村潔氏に師事しております。詳しいプロフィール

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